結論から述べると、妊娠中期から末期の便秘には「食事・水分・運動を中心とした非薬物療法」が基本で、必要に応じて医師の判断のもと安全な便秘薬を併用するのが適切です。以下を参考に、現状の症状に合わせて生活習慣を整えましょう。 妊娠中期〜末期の便秘のポイント
- 原因
- 子宮の成長による腸の圧迫と、ホルモンの変化(特にプロゲステロンの腸管平滑筋弛緩)による腸の蠕動運動低下が主な原因です。これらは妊娠の進行に伴い強まることがあります。
- 基本的な対策
- 食物繊維を多く含む食事にする(野菜・果物・全粒穀物・豆類など)。ただし急激な食物繊維の増加は腹部膨満を招くことがあるため、少しずつ導入しましょう。
* 水分を十分に摂る(1日を通してこまめに水分補給を心がける)。特に便のかたさを和らげる効果があります。
* 規則的な排便習慣をつくる。朝の排便や決まった時間のトイレ習慣を取り入れると便意を逃しにくくなります。
* 適度な運動を取り入れる。軽いウォーキング、マタニティヨガ、ストレッチなど妊娠中でも無理なく行える運動は腸の動きを刺激します。
* マッサージも補助的に有効なことがあります。腹部を優しくのの字にマッサージする方法が紹介されていますが、強く圧をかけすぎないよう注意します。
- 薬の使用
- 薬を使う場合は自己判断を避け、産科医・主治医と相談して処方してもらうのが安全です。妊婦さんがよく使う便秘薬として酸化マグネシウムなど非刺激性の薬が挙げられますが、薬剤選択は妊娠週数・体調・使用歴を踏まえて決定します。
- 重要な注意点
- 便秘を放置すると腹痛・張り・痙攣などを引き起こし、妊娠経過へ影響を及ぼすことがあります。症状が長引く場合や痛み・血液便が出る場合はすぐに医療機関へ相談してください。
適切な実践プラン例
- 朝起きたらコップ1杯の水を飲む。朝食に食物繊維を含む食材を取り入れる。
- 昼・夕食は野菜を中心に、全粒穀物や豆類を組み合わせる。水分は飲み物と食事の際に意識して摂る。
- 毎日20~30分程度の軽い運動を取り入れる。体調に合わせて無理のない範囲で継続する。
- 排便のタイミングを逃さない。便意を感じたらトイレに座る習慣をつくる。
- 薬を検討する場合は、妊婦健診時に主治医へ相談して安全性を確認する。
ご希望があれば、現在の妊娠週数・便秘の程度・日常の食事・運動習慣を教えてください。個別に適切な生活指導と、医師と相談すべきサインを整理してお伝えします。
