外傷傷病者で緊張性気胸を疑う所見は以下のようなものがあります。
- 患側胸郭の過共鳴(打診で過剰な響き)
- 気管偏位(気管が健側へずれる)
- 頸静脈怒張(首の静脈が膨らむ)
- 患側の呼吸音消失
- 触診で胸郭の膨張、緊張、圧しにくさを認める
- 低血圧やショック症状の出現
これらの臨床所見は、胸腔内圧が上昇し肺や心臓を圧迫することで生じるため、緊張性気胸の特徴的な診断所見とされています。X線検査を待っていてはいけず、臨床的に迅速に判断して治療(胸腔穿刺)が必要です。
したがって、緊張性気胸を疑う外傷者の所見としては、「患側胸郭の過共鳴」「気管偏位」「頸静脈怒張」「呼吸音の消失」などが重要であり、この中から1つ選ぶ場合は「患側胸郭の過共鳴」が非常に特徴的です。
